家作りは人生そのもの の記事で書いたように、
古民家をリフォームしたのは、「きっと楽しいことになる」という
予感というか、直観だけだった。

そしてその時も今もだけれど、ここに永住しようとは思っていなかった。
今それをやりたいからやる、これからのことなんて、
何も考えていなかったし、考えられなかった。

それなのに、リフォームに数百万かけたのだ。

私にとって、その金額は、あまりにも大きいものだった。
この家に賭けるには、あまりにも大きなリスクが伴っていた。

それでも内側から湧き上がってくる、「やりたい!」っていう気持ちには勝てなくて、
リスクを承知でリフォームした。

そうしたら、どうだろう。

今の生活はとても楽しいものになった。
農繁期には特に、たくさんの人が訪れ、泊まっていってくれる。

私はずっとずっと、人と関わることが怖かったのだ。
聞こえないために、特に初対面の人とコミュニケーションが難しく、
数人集まれば、話していることがわからなくなり、
たくさんの人の中にいるのに、一人ぼっちになる。
それがとてもつらかった。
いたたまれなかった。

だからできるだけ人と関わることを避けていた。
それなのに!
この暮らしを始めたら、否応なく人との関わりを避けて通れなくなった。

でもそれが私を変えてくれた。
もちろん一瞬にして、ということはなく、時間はかかっているのだけど、
今の私は人と関わることが怖くない。
たくさんの人の中にいたって、そのときに孤独を感じたって、つらくはならない。
自分というものをちゃんと保てるようになったのだ。

リフォームを始めたときには、暮らし始めたときにも
そんなふうになるなんて思いもよらなかった。

計画を練って、考えに考えて、こういう未来にする!と決めていたら、
こんなふうにはならなかった。

これからどんなふうになっていくのかわからないけれど、
今やりたいことをする!としていたら、
奇跡のような人生が舞い込んできた。
それこそ、魔法が起こったの。

私たちは自分で人生をコントロールしているように思えるけれど、
大いなる自然の、宇宙の流れに乗っているだけ。
きっとそうなることは決まっていたのだ。

自分の想像以上のものが起こったから、
奇跡、とか魔法、って思うだけ。

だから将来どうなる?私の未来は?なんてことを心配する前に、
今できること、今やりたいことをやるだけでいい。

そうすると不安がなくなるよ。
不安がない人生はそれだけで、素晴らしいものだよ。


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裏庭の草ボーボーのところに、1輪だけ咲いていた花。
これを見つけただけで、私の心はパッと華やいだ。