今回の記事は、先ほどの、闇を見よう♡それは自分を愛することだから
の続きの話でもあります。

2011年に東京から移住してきて、半自給をして田舎暮らしをするようになり、
私の暮らし、生き方は、がらりと変わりました。

今の暮らしや生き方はとても楽しいし、気に入っています。

でも、闇を見よう♡ の記事でも書きましたが、楽しいことだけをしていたから、
そうなったんじゃなくて、闇もちゃんと見たからです。
闇を見て、それを認めてあげたからです。

そのことを、もうちょっと詳しく書いてみたいと思います。

私は2011年に東京から移住してきましたが、
それは自然の中で暮らしたいな、田舎暮らしがしたいな、と漠然と思ったからでした。

そんなふうに思っていた時に、SOSA PROJECT を立ち上げた、髙坂勝 に
田んぼに連れていってもらったのが、匝瑳に移住したきっかけでした。

彼は、ダウンシフト(大きな経済社会から降りて、自給を中心としたお金があまり
かからない小さいけれど豊かな暮らしへ移行すること)を提唱している、ということは
後から知りました。

今、私の住む匝瑳市には、髙坂の本を読んだり、講演を聞いたりして、感銘を受け、
自分もダウンシフトしよう!と、都会での会社員暮らしを辞めて、
匝瑳に移住する人がたくさんいます。

家族で、単身で、カップルで、今年はたくさんの人たちが移住してきました。

彼らはみんな、都会での様々な重圧から逃れて、自然の中での暮らし、
半農半X(半分自給をしながら、好きなことをなりわいにすること)をして、
楽しく暮らしていると思います。

私ももちろん、そうです。
ダウンシフト、半農半X、そういうものを目指していたわけではないけれど、
お米作りをしながら、大きな古民家をリフォームして、毎年たくさんの人に来てもらって
様々な人と関わりながら過ごせること、好きなことをして暮らせること、
お金はたくさんなくとも、小さいけれど豊かな暮らしができていて、
都会にいたときよりも、ずっとずっと楽しく、幸せです。


私の周りの多くの人たちは言います。

ダウンシフトして、半自給をしながら、コミュニティの仲間と助け合いながら
お金のかからない小さくても豊かな暮らし、これでみんなが幸せになれる


と。

それは間違いではありません。

みんな都会にいたときよりも、幸せそう。(都会にいたとき、知らないけど( ;∀;))
私も都会にいたときよりも、ずいぶん楽しく暮らしています。


でも聞こえない私はあるとき、思いました。

SOSA PROJECT にもうちにも、毎年たくさんの人たちが
やってきます。
田んぼ仲間、移住を考える人たち、田舎に遊びに来たい人たち。
多くの人と関わることはとても楽しいことです。

でも聞こえない私は、みんなの話の中に入れない、みんなが楽しそうに話していても、
全く内容がわからなくて、疎外感を感じてしまいます。

SOSA PROJECTのメンバーや慣れている人たちは、
私にわかりやすく話してくれます。

それは移住してからの数年間で、機会あるごとに伝えてきました。
ときには、泣いたり怒ったりすねたりひがんだり・・・
そうして訴えてきました。
そうすることで、みなさんにも理解してもらえるようになってきました。

でもここでは、初対面の人に出会うことも多いから、
そういうとき、一から、私にはどうやったら話が伝わるか、を伝えたり、
聞こえないことを理解してもらわなければいけないのです。

そうやって自分のことを伝えても、1回では聞こえないことを理解してもらうことは
ほとんどできません。
それは仕方がないことだということは、十分わかっています。

SOSA PROJECTのメンバーにだって、数年にわたって伝えてきたことを、
1日でわかってもらえることのほうが、奇跡です。

だから思っていたのです。
いつも一からやり直し、それでも理解してもらえなくて、私はいつも蚊帳の外だ、って。

生き方を変えたって、私のような(聞こえない)人は、
本当に心から幸せと感じられるときは来ないんじゃないか、
幸せにはなれないんじゃないか・・・

と、そう思うと、とても悲しくて、つらくなりました。

聞こえないから仕方がない、
もう十分楽しいこともあるんだから、これで満足しなきゃ・・・
聞こえない人にしては、恵まれているほうだよ。

私には、そんなふうに、あきらめることはできませんでした。

自分の幸せをあきらめることはできなかったんです。

しばらく、

何もやっても無駄なのかもしれない・・・
どうしたら自分の思うような幸せが手に入る?

もう何かを手に入れることでは満たされないことがわかっていたけれど、
生き方を変えても幸せにはなれないなんて、どうしたら・・・?

と思い悩む日々が続きました。



~長くなったので、②に続きます~